競馬の主役である競走馬の輸送

トレーニング・センターから開催競馬場への競走馬輸送は、全国的な高速道路網の整備に伴いレースの当日朝や前日に行われる形態が主流となっており、輸送が計画通り行われなければレースへの出走そのものが叶わなくなってしまいます。競走馬の体調や挙動を気づかいながら定められた経路を使用し慎重な上にも慎重な運転で安全・確実に目的地まで送り届ける日々の輸送業務の流れを、美浦トレーニング・センターと福島競馬場との往復を例にとりご紹介します。

往路 美浦トレーニング・センターから福島競馬場へ

出勤してきたらまず運行管理担当者による点呼(アルコール検知や体調の確認)を受けてから担当車両へと赴き、車両の点検や車内装備のセッティングを行います。競走馬の体調を良好に保つためエアコンの動作確認も欠かせません。その後、行き先別の全体ミーティングに臨み当日の経路や注意事項等を確認し、所定の時刻に一斉に営業所を出発します。

担当車両に乗る競走馬は日ごとに予め会社から指定されています。1台の馬運車に最大で4頭乗せますが、複数の厩舎所属の馬が混載されることが一般的です。このためトレーニング・センターの構内をめぐりながら、指示された順番に積み込んでいきます。

乗車している競走馬に負担がかからないよう急加速・急ブレーキ・急ハンドルなどは避け、法定の速度を守り十分な車間距離を保ち、ゆったりとした安全運転で競馬場へと向かっていきます。

競馬場に無事到着しました。 運んできた競走馬のリストを警備員に手渡して厩舎地区へと入場します。所定の積み降ろし場所に馬運車をつけ、同乗していた厩舎従業員(厩務員・調教助手)が迅速かつ安全に馬を降ろすのをサポートします。

各馬が競馬場が指定する出張厩舎の馬房へと曳かれていきます。当該車両の担当者に加え、既に競馬場に到着している社員も厩舎への荷物搬送等を手伝います。

復路 福島競馬場から美浦トレーニング・センターへ

レースが終了して一息ついた競走馬たちを順次積み込みます。当該車両の担当者以外も荷物の積込み等をサポートし、チームプレーで効率的に作業を進めます。厩舎構内は限られたスペースの中での馬の往来も非常に多く、車両の移動には特に細心の注意が求められます。

積み込みが終わりました。リアゲートを閉め、美浦トレーニング・センターへの帰途につきます。

レースで全力で頑張った競走馬たちを乗せ、行きと同様に安全運転でトレーニング・センターに到着しました。 最後、トレーニング・センターの構内をめぐり、全馬を各厩舎に無事送り届けるまでは気が抜けません。

営業所に戻り、洗車や車内の清掃を行います。馬運車は常に清潔で衛生的な状態に保たなければなりません。作業が終わり輸送中の特異事項等があれば後点呼にて運行管理担当者に報告し、運転日誌を提出しておしまいとなります。お疲れ様でした

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